自殺で死ぬ時ってきっと一人で、おそらく真夜中だ。
もし街中で運良く倒れても、車にぶつかり死に掛けになったとしても私は最後の力を振り絞って「救急車を呼ばないで下さい」と言うと思う。たとえそれが最後の言葉になっても構わない。
自分に何の断りもなく呼ばれた救急車に乗せられ、あげく適切な処置を施され無事一命をとりとめて現代医療の進歩と発展と生命に感謝なんて絶対にしたくない。いいから殺せ、置いていけ、そう駅前でわめいて結局救急車に乗せられた事がある。それはさておき。
昨日の夜は孤独だった。風呂場からなんとか引きずり出した桶を抱えて自分でも聞いた事のないような声でゲェゲェ胃液を垂れ流していた。
身体全体が完全に重力に負けて動けなかった。ニュートンに取り憑かれたんじゃないかと思うほど身体が重かった。(?)
エスタロンモカとドリーミオのあわせ技だ。feat.ウォッカだ。カフェイン剤と睡眠改善薬がコラボった結果の胃液大放出だった。贅沢な位吐いた。モノホンのオーバードーザーではないからもっぱら近所の薬局育ちの第二~三類医薬品の連中とつるんでるんだ。それぞれワンシート、ビギナーズラックであり初心者向けステージなんだろうと思った。
「ここで死ぬのかぁ~~~;;;;ウエェエエエエ;;;;」
本当にそう言っていた。鼻水かと思ったら鼻血が出ていた。
体が一人組体操みたいな体勢のまま攣って動かなくなった。
体幹トレーニングの究極系を見つけたような気がした。なんにせよ呼吸をする前に胃液が出てくるからそれどころではない。
生まれて初めて救急車を呼ぼうかと思った。
もちろん速攻で考え改めた。
一人で真夜中に自業自得の方法で苦しむのは孤独の極みだ。
けど自殺で死ぬ時ってきっと一人で、おそらく真夜中だ。
翌朝はケロリとしていた。
普通に眠ったようだった。
胃腸からは病欠の連絡があったというか、本人らに消化器官として働く意思がみられないというか、そんな感じだったけれど通常通り食って吐いて食った。
ゲロまみれで組体操をはじめる数時間前はスポーツジムでいい汗をかいてグリーンスムージーなんて飲んでいた。
もはや健康になりたいのか不健康になりたいのか自分でもわからない。